王子な秘書とシンデレラな御曹司
イケメン御曹司 参上!
威圧感ある俺様オーラを匂わせ
唇の端を上げて微かに笑う御曹司。
その後ろに控えるは
彼の秘書 市橋理香。
私の最も苦手とするジャンルの二人。
でも
私の隣で副社長は「敏明」と嬉しそうな顔を見せ、弟の元に駆け寄り握手をしようとするけれど、弟の手は伸びず背中に回したままだった。
副社長は出した手を恥ずかしそうに戻し「久しぶりだね」と喜んでいる。
「何年振りでしょうね。俺も海外が多いし、兄さんは実家に戻らない。自分のマンションか職場の研究所ばかりだろう」
イケメン御曹司は机の上の書類を見て鼻で笑う
「まだこんな仕事やってんですか?遅いなぁ。今日の会議資料は読みました?」
「もらってないけど」
「あぁうちの秘書から渡すんだった。市橋君、先に彼女に渡して」
名前を呼ばれ
ヒールの音を鳴らしながら
市橋理香は大きなファイルを私に渡す。
重たいっ!
「最近の会議内容も入ってるから、あなたも内容を把握しなさい。あと、これもお願いね。パリ支社からの緊急内容。返事は一時間以内にメールで直接お願いします。もちろんフランス語で」
フランス語?
私はクリアファイルに挟まれた紙を見つめると
小さな横文字がいっぱい書いてあった。
英語なら少しはイケるけど
フランス語なんて無理!
「どんな内容か翻訳してもらえませんか?」
頬をヒクヒクさせながら
私は市橋理香に下手に出ると
「御冗談でしょ」
口に手を当て
おーっほっほっほっのアントワネット様笑いで答えてくる
ちっくしょーーーー!
なんのイジメだよ。