王子な秘書とシンデレラな御曹司
社員食堂も兼ねたカフェテリアで
ひとりコーヒーを飲む私。
ここの自販は豆から挽いてくれるコーヒーで、とっても美味しいはずだったのに普通の味になっている。
きっと副社長の入れてくれるエスプレッソに慣れたせいかも。
豆にもこだわっているせいか
副社長の入れるコーヒーは美味しい。
あまりほめると調子に乗り
あの狭い部屋に焙煎機を置いて
本格的なカフェになりそうなので怖い。
ほめるのはやめよう。
「雅。サボりか?」
後ろから声が聞こえ
軽く振り返ると
同期の高岡 健が立っていた。
エレベーターの中でのプロポーズもどき
あれから会うのは初めてかも
「俺もサボろう」
楽しそうに健は私の目の前に座った。
スーツの似合う王子様。
「元気?」って聞かれて私は首を横に振り、健は吹き出して笑う。
「ゆっくり話をしたいと思ってたんだ。今日時間作れる?」
「うん。大丈夫」
「その時に話を聞く。そして俺からの話もある」
「何よ」
「プロポーズの続きと具体的内容」
今度はこっちが吹き出す番だった。
「笑わせないでよ」
「俺は本気。あの次の日から出張で一昨日帰って来たから、話もできなかった。ごめん」
「だって……」
「今夜7時、よく同期で飲んでた居酒屋覚えてる?」
健は店の名前を私に言い
「絶対来いよ」と命令口調。
そして私はひとり残される。
プロポーズの続き……って……。