王子な秘書とシンデレラな御曹司
そこは重厚な別世界。
床にクッションフロアまで入ってフカフカ。
間接照明も観葉植物も一流ホテルのようなゴージャスさ。
恥ずかしながら
1度も降りたことがない未知のフロア。
ほのかなオリエンタルリリーの香りが私達を迎える。
アロマ焚いてる?
何から何までゴージャス別世界。
すると
秘書課の女性がスッと現れた。
「高橋部長。お待ちしておりました」
ナチュラルに見えるような完璧なメイク。
高いヘアサロンで染めた艶のある髪をまとめ
ブランド物のスーツを着こなす美女。
うちの秘書課は美人揃いで有名。
自分の着ているグレーのベストとスカートが恥ずかしい。
なんで総務だけ制服なんだろう。
なんでもいいから
早く終わらせて
総務課に戻りましょうぜボス。
マジ場違いですよ私。
お腹痛くなってきた。
美女を先頭に案内されたその先は
常務室。
嫌な予感が止まらない。帰りたい。
「部長……あの、私は明日の会議室の調整がありまして、あと広報課の蛍光灯が切れた件と、営業二課から連絡が来て備品の……」
「すぐ終わるから」
部長は逃げようとする私の背中を押したので
そのまま私は
常務室にジャンプしながら入場となってしまった。
おマヌケ。恥ずかしい。