王子な秘書とシンデレラな御曹司
大きな部屋に大きな窓
さすが重役室。
そして皮張りの椅子に座るのは
我が社の常務。
「彼女がそうかね?」
常務は低い声でそう言った。
うちの部長とは正反対で
鶏ガラ系のほっそい身体だけど
鋭い目つきに高いワシ鼻
威圧感ふれるオーラ。
死神みたいで怖い。
地獄に連れて行かないで。
「はい。うちの課の竹下 雅さんです。彼女にお任せ下さい」
部長が常務に頭を下げる。
はぁ?
お任せ下さいって何!
目を見開いて部長に聞こうとすると、部長は私の頭を抱えて下げる。
何だよこれー!
私は頭を下げて自分の靴の先をジッと見つめる。
「高橋君が言うのなら間違いない。明日からすぐ頼むよ。なにせ時間がないからね。素質はあると思うが完璧な副社長にしてほしい」
「はい。間違いなく」
部長が答える。
いや、それって違うでしょ。
「どんな内容でしょうか?」
震える声で常務を見ると
常務は眉間にシワを寄せ部長に「言ってないのか?」と責め、部長は「すいません。急なお話でしたので」と、額に汗を輝かせた。
常務は溜め息をひとつし
私に声をかけた。
「我が社の社運を君に預ける」
深い話になりそうで
本気で逃げたくなる私。