王子な秘書とシンデレラな御曹司

「役に立ってますよ」

「でも私は……」

「役に立ってます」
柔らかだけど
芯の通った声にジンとくる。

「竹下さんは一生懸命やってくれてます。僕も頑張ります。今日はお砂糖も少し入れましょう。疲れには糖分が大切ですから」

いそいそとまたカップを私から取り上げ
お砂糖の準備。

そうだね。
気持ちを切り替えて
立派な秘書になるよう頑張ろう。
副社長が気持ち良く仕事をしやすいように、フォローするのが私の役目。

「名刺をもらったらすぐ書き込んでたのですか?」
ホルダーに入れながら感心する。
会った日付もナンバリングしてるし。
上から目線で言ってはいけない相手とかも書いてるな。

「僕は忘れっぽいから」
はにかんで言う。

「コーヒーも美味しいし」

「いや、やめて下さい」
照れてる照れてる。

「手書きですが、外の資料室のプレートに【副社長室】って、ご自分のお名前を書いていたのは自覚があって立派だと思いました」

「本当にやめて下さい。僕はほめられるの慣れてないんです」
細い身体をクニクニ動かし
副社長は頬に手など当てながら顔を真っ赤にして照れていた。

ほめて伸びるタイプ?
あ、もっとすごい事があったでしょ。
最上級のほめを忘れてた。



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