王子な秘書とシンデレラな御曹司
夜が近くなり
副社長のタメ息が増えてくる。
原因はわかってる
今日の会食は社長会議という名の家族会議。
父親である社長と
俺様イケメン副社長との食事。
社長とはこのフロアに来て、何度かお会いしてるけど
威厳があって怖いイメージ。
仕事に関しては一流かもしれないが
親としてはどうなのかな。
そしてあの俺様な弟に
ガッツリ色々と嫌味を言われるのだろう。
「行きたくないけど……行って来ます」
最初の言葉は不要だ。男なら頑張れ。
心の中で応援し
明日の仕事の整理をしながら
健との待ち合わせ時間まで仕事する。
【副社長の先を歩いて道をつける】
書道が得意な後輩に
筆字で書かせて
どこかに貼っておきたい気分。
余裕をもって居酒屋に行く予定が
時間ギリギリになり
ヒールで走るはめになる。
いつもこのパターンだな。
少し寒くなってきた秋の夜。
オフィス街を通り抜け
小さな飲食ビルの地下に足を入れると
隠れ家的なおしゃれな居酒屋が目の前に広がる。
にぎわうカウンターの後ろを歩き
仕切られているボックス席から私の姿が見えたのか
『こっち』と健に呼ばれて滑り込む。
「ごめん遅れた」
素直に謝り健の前に座ると
「ごめん飲んでた」と、笑ってた。
広報部の王子様。
その笑顔は爽やか+大人の色気。
ネクタイを緩めてリラックスした表情はとても魅力的。
仕事に疲れた女子社員の目の保養になるだろう。
拡散したい。
そんな事を考える私も疲れている証拠かな。