王子な秘書とシンデレラな御曹司
「私……テンパってる?」
重なり合った手をジッと見て聞いてみる。
優しい顔に似合わないような
骨ばった男らしい手。
「雅王子は頑張ってる。お前はいつでも一生懸命で、困った人を助ける王子様」
「……健」
「お前なら大丈夫。とことん突き進め。知らない場所に飛び込むのは大変だけど、男前の雅王子なら問題ない」
「自信ない」
「ダメならダメで俺の所へ来い。6ヶ月後にイタリアで挙式」
「イタリア?」
「1、2年で帰るけどさ。ローマになるかミラノになるか……最近は特にヨーロッパでの需要が多くなってきているだろ、広報にも力を入れたくて、ひとり本社から行く予定になっている。国内の売り上げが悪くなってきてるからさ、あっちに力を入れるんじゃね?ピザ好きだよな」
「健が行くの?」
「そう。寂しい?」
「そりゃ寂しいよ」
驚きで素直な言葉が出てしまう。
すると健は驚いてからの王子スマイル。
「じゃお前も来い。結婚しよう」
「ビール飲みながらの話?居酒屋でプロポーズ?」
「手は握ってる」
「のせてるだけだし」
「それは失礼」
健の手が動き
私の手を今度はしっかり握った。
「仕事に疲れたら、俺に逃げて来い」
怖いくらいに真剣な顔が目の前にある。
「逃げるのは嫌」
「最終手段を教えただけ」
最終手段に結婚かい?