王子な秘書とシンデレラな御曹司
こんな場所に付いて来た事ないから
高級ホテルの雰囲気に飲まれたのか
副社長の様子が気になるのか
私は落ち着かないまま
ずっと観葉植物の陰で一時間半ほど待ち
御一行様が奥のエレベーターから降りてくる様子を見てドキリとする。
ロビーで和やかに解散し
それぞれが満足そうに玄関を出て行く。
社長は、やはり無表情で足早に歩き
俺様副社長はその後ろに続き
市橋理香は離れないように後を追う。
どうだったんだろう。
会食は上手くいったのだろうか。
うちの副社長は?大丈夫だったのかしら?
お偉いさんの前で失敗しなかったかな
アピールできたかな?
変な事言ってスベってたかも。
やっぱり先に帰るべきだった
こうやって見えていると、心配で胃が痛くなる。
オーディションを受ける子役の母親な気分。
「雅さん」
副社長は観葉植物の陰にいる私を見つけ、とっても嬉しそうな顔をして駆け寄ってきた。
上手くいったのか?
認められる発言できたのか?
「雅さん聞いて下さい」
目をキラキラさせて、副社長は私に訴える。
うんうん。何でも聞くよ。
どんなお手柄?
期待に胸をふくらませ副社長の言葉を待つと
「会食の、ラストのコーヒーがインドネシア産のリンドンマンデリンで焙煎がフレンチローストだったんですよ。もう完璧じゃないですか」
大満足で興奮してるし
あぁそうだね
期待した私がバカでした。