王子な秘書とシンデレラな御曹司
「仕事は丁寧って評判」
「丁寧すぎるから時間がかかり、仕事に追われてるってね」
「頑張ってるよねー」
高評価だ。
今までの苦労が実ったかも。
嬉しくて泣けてくる。
時に怒りながら育てたかいがありました。
みんなにワインを『うちの息子がお世話になります』気分で注いでいると
「でもやっぱり、副社長のオーラは敏明様かなー」
うっとりと先輩がそう告げて
周りも『うんうん』って同調。
弱いか。
まだ負けてるか。
俺様御曹司がリードしてるのか。
テンション下がった私に気付き「いやでも、雅んとこの副社長も頑張ってるから大丈夫」って先輩に慰められた。
以前は勝負にならないくらい負けてたけど
今は7:3ぐらいにまで
競ってきたらしい
もちろん
うちの副社長が3。
あーあ
まだまだなんだね。
一発逆転ホームランが欲しいなぁ。
「雅王子。寂しいから早く帰って来て下さい」
仔犬系の後輩たちにそう言われて
ギュギュっと抱きしめてやると
仔犬たちは大喜び。
楽しい一次会をみんなで過ごしてから
しんみりと
同期で一番の親友と
深刻な二次会が開催される。