王子な秘書とシンデレラな御曹司
忙しいと
時間の経過が早い早い。
クリスマスケーキのCMとチキンのCMを見るたび年末を感じてしまう。
そして今日は運命の日。
「行きたくないな」
まだそんな事を……。
「雅さん」
「はい」
「お腹痛い」
小学生かっ!
もうその嘘は通じない。
私は気乗りしない副社長を怒りながら車に乗せた。
俺様副社長と秘書の市橋理香は30分前に出たようだ。
遅れをとってしまったか
「南田さん飛ばして下さい。副社長の運命がかかってます」
Vシネマ系の運転手さんに後ろの席からお願いすると「任せろ」って言って飛ばしてくれた。
ありがたい。ありがたい。
気合十分な私と南田さんに比べ
主役は窓の外を見てタメ息ばかり
「副社長」
「なんでしょうか?」
その棒読みやめなさい。
目が死んでますよ。
「頑張りましょうね」
茶系の高いスーツを着せ
昨日は美容室に予約も入れ
ノンフレームのメガネをかけさせ
清潔感がありーの
頭がよさそーの
癒しけーの
優しい御曹司系がよく出ている。
よしよし
自己満足。
「雅さん?」
「はい」
「僕が本当にお見合いを成功させて、婚約してもいいんですか?」
面白くない顔でそう言われ
久し振りに心臓がズキン。
返事が上手く出てこなくて戸惑ってると
「成功する確率は少ないですけどね」ってポツリと言う。
「だからその弱気が……」
「着きましたよ」
会場は都会の隠れ家的な一つ星レストラン
さぁ決戦の始まり。
私は身震いしながら車を降り
副社長と中へ進むと……。