王子な秘書とシンデレラな御曹司
人がいっぱい。
御曹司とお嬢様がゴロゴロしている。
グラスを持ちながら上品な人達が上品に微笑む。
私は素早く御曹司チェック。
みんな背の高い
自信満々な立派な御曹司達。
あぁピンで見たら完璧だったけど
この中では埋もれてしまいそうなうちの副社長。
『先週はスペインに行きまして……』
『オペラはやはり……』
『サンタクロースとサーフィンを……』
副社長と人の流れを割って進むけど
セレブな会話ばかりが聞こえてきた。
しまった!
うちの副社長は仕事が変わったばかりで、休日は仕事ばかりだ。
リゾートもなにもありゃしない。
その前は研究オタクだったし
もっと遊んでなきゃ
会話が弾まない。
名古屋城の写メとか見せそうで怖い。
キョロキョロと目を動かすと
市橋理香の姿を見つけた。
市橋理香は今日もクロワッサンな髪を完璧に巻き、バタバタと動いている私の顔を見て鼻で笑う。
あぁ悔しいっ!
なんだかこいつは本気で悔しい!
眉間にシワをよせながら市橋理香を見ていたら、市橋理香は目線をそっと横に誘導させた。
え?何?
そこには
俺様副社長と数人の御曹司が輪になり
その輪の中心には
素晴らしい着物を着た
本当に可愛らしい女性が立っている。
なんて可愛いんだろう
お人形さんのよう
そう素直に思えるような
可愛らしい女性がそこに存在していた。