王子な秘書とシンデレラな御曹司

私はあれほど気合を入れて
このお見合いを成功させようと意気込んでいたのに
いざ
彼女を見ると
テンションがただ下がり

だって
あまりにも可愛らしい。

素人にも高いとわかる絞りの着物
白がとっても良く似合う。

髪は艶のある茶色でふわふわボブ。
白い肌にピンクの頬
目が丸くて大きくて
小さな鼻と小さな口元
顔も小さくて
全体的に小さくて守ってあげたい女の子。

髪に飾っている赤い椿はきっと本物。
そこら辺のアイドルよりも可愛らしい。

私と真逆の女の子。
正反対の女の子。

よかったんだよ
相手の女性が可愛らしくて
優しそうな女の子で。

あぁ
戸惑う表情も可愛らしい。
沢山の御曹司に囲まれて困っている。
手を貸したくなるような女の子。

きっとうちの副社長とお似合いだ。

だから
よかったのだけど

あまりにも自分と正反対で
どうして悲しいんだろう。

変な私。
自分が惨めになっている。

御曹司にはお嬢様。定番でしょ。

ほら
しっかりしろ雅!
ここが一番大切なとこだろう!
気持ちを切り替えろ!

「副社長。行ってらっしゃい」
後ろから私が鋭く言うと

「いや無理です」
即答された。

だから返事が早すぎるんだよ。






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