王子な秘書とシンデレラな御曹司
第一段階はクリアしたけれど
その後が問題である。
できれば
副社長がデートの予定を立てながら
クリスマスという大イベントに向かい頑張って欲しいんだけど……。
「仕事が本気で忙しいんです」
怖い顔で言われてしまった。
たしかに忙しい
でも仕事よりこっちの方が、今は絶対大切なんだけどね。
危機感のない男だなぁ。
部長に相談しに行くと「竹下君だけが頼り」って頭を下げられたし
どーすりゃいいんだろ
あの可愛い佐野清香さんに相談してみようか。
華子お嬢様には直接言えないけれど、清香さんになら言えそう。
よしよし……独り納得してから部屋に戻ると
思いがけない人物が副社長の机の前に立ち、楽しそうに会話を弾ませていた。
「雅」
背の高くスーツの似合う男は口元を上げながら、驚く私の顔を見て満足する。
「たっ、健。どうしてここに?」
名前を呼び合う私達を見て、副社長はちょっとだけ眉をひそめた。
「すいません。同期なんです」
健は副社長にそう言ってから、私の顔をジッと見ていた。
嫌な感じ。
健は私が副社長に惹かれてるって知ってるんだよな。どうしてここにいるの?
その答えは副社長が出してくれた。
「高岡さんの出す企画がとても斬新で面白くて、前から注目してたんです。ちょっと細かい話を聞きたくて来てもらいました」
あーそーですか。