好きだと言ってほしいから
「パパ、お水が少ないよ」

「そうだな。でも水道の水はだめだよ。後でもう一回、川に水を汲みに行こうか」

「うん! ありがとうパパ!」

 コロコロと元気に笑うこの小さな息子の笑顔。私は眩しそうに目を細めて眺めていた。
 縁側から父が将太に手招きをする。

「将太、ママが作ってくれたホットケーキがあるよ」

「ホント? やったー! ぼく一番大きいのがいい!」

 嬉しそうに駆けていく息子の背中に、私は幸せを噛み締めながら叫んだ。

「ちゃんと手を洗うのよ」

「はーい!」

 ニコニコと手を振って家の中に入って行く将太。小さな私たちの子供。大切な、大切な宝物。

「浩太さん、私たちも行きましょう。早くしないと浩太さんの分のホットケーキも、将太が食べてしまうかも」

 くすりと笑って浩太さんを見上げると、彼は温かい眼差しでジッと私を見下ろしていた。
 急に頬が熱くなる。あれからずっと彼と一緒で、今ではこうして子供もいるというのに、私たちは何も変わっていない。

 彼がさらに微笑んだ。

「麻衣」
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