好きだと言ってほしいから
 私の大好きな、その低い声で名前を呼ばれると、私はたちまちあなたのことしか考えられなくなってしまう。

「はい……」

「俺はこんなにも幸せだ。つくづく君のおかげだよ、ありがとう、麻衣」

「それは、私も同じです……」

 浩太さんがそっと私の肩を抱き寄せる。庭の蝉がまたうるさく鳴き始めた。

「愛しているよ、麻衣。君は俺の特別だ……」

 抱き寄せられた肩にギュッと力が込められた。身を屈めた浩太さんに軽く唇を奪われる。こんな庭先で堂々と……。
 私はすぐに赤面した。おそらく、いや、確実に。

「あー! パパがまたママにチューしてる!」

 手を洗い終えたのか、縁側に戻ってきた将太が私たちを指差して大きな声で叫んだ。
 私は両手を頬に当てて熱を持った頬を隠す。
 浩太さんが笑いながら息子に言った。

「ママにチューできるのはパパの特権だぞ!」

 もう、浩太さんったら。

 悔しそうに唇を尖らす将太の頭を乱暴に撫でてから、浩太さんは玄関へと向かう。私も慌てて追いかけた。

 そんな私たちのやりとりを微笑ましそうに見送る父の視線も感じながら。

 浩太さん、あなたが好きです。昨日よりも今日、今日よりも明日。この恋の熱が冷める日は、どうやら永遠に来ないみたい。

Fin.
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