真夜中の恋人
「ナツ?」

驚いたように、タカヤが振り向いた。

「……待って。お願い、まだ帰らないで」

そう言った、わたしの声は震えていた。



ベッドの上で、指を絡めて甘いキスをする。
まるで、恋人にでもするようなタカヤのキスに戸惑ってしまう。

……これ以上は、止めて。

愛されていると、勘違いをしてしまいそう。

「タカヤ」

そんなことがあるはずないのに。

タカヤの髪が胸の上で揺れる。
わたしはベッドに縫い付けられたように身動きが出来ない。

「ぁ……っ」

吐息が漏れると、タカヤは顔を上げて、わたしにの腕を引き身体を起こした。
濡れたような瞳のタカヤと間近で見詰め合う。

「ナツは」

タカヤの低い声が好き。本当はその声で『美奈』と呼んで欲しいけれど。
タカヤは、わたしに何も訊かないから、わたしもタカヤに何も言えなくなる。

「俺に、興味が無いみたいだね」

「え?」

「でも、それがいい」

それがいい?

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