真夜中の恋人
しばらく経って席に戻ったミカコちゃんは、どこからどう見てもご機嫌だった。

頬が高揚したように赤くなり、心なしか口元が緩んでいる。

……それは、お酒の所為だけじゃないよね?

「あのね、美奈ちゃん」

そう言って、わたしの方に向き直るミカコちゃんにゴクリと息を呑んだ。

イヤだ、聞きたくない。何を言うつもりなの?


「彼から電話があって、色々話し合った結果、よりを戻すことになったの」

「う、うん」

「だからね、同居するって話は無かったことにして欲しいの」

「……え?」

それって、つまり……。ちょっと待って、どういうこと?
思考がフリーズして何も考えられない。

「あ、あの、ミカコちゃん」

「本当、ごめんね。彼が家でわたしの帰りを待ってるから、もう行くね」

そう言うと、ミカコちゃんはバタバタと帰り支度を始めた。
ショックで思考が追いつかないあたしは、その様子をぼんやりと見ていた。

同居の話は無かったことって、わたしは、どうなるの?

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