真夜中の恋人
それから、タカヤが三日にあげず訪ねて来るようになって。

ビールを呑みながらソファーで寛いでいるタカヤを見ているうちに、もしかしたらと、淡い期待を抱くようになってしまった。


「煮物作ったの。口に合うかわからないけど、良かったら食べて」

「……ああ」

小鉢を差し出すと、テレビを視たままでタカヤが答える。

素っ気無いタカヤの態度が気になったけれど。それよりも、今夜も逢えたことが嬉しくて、わたしはつい余計なことを口走ってしまった。


「今度訪ねて来る時は、早めに電話して欲しいの」

「何の為に?」

冷たいタカヤの言い方に、身体がビクリと震えた。

迂闊にも、タカヤが引いた境界線に踏み込んでしまったのだ。

後悔しても、もう遅い。


「……たまには、一緒に夕飯を食べるのもいいかと思って。わたし、料理は好きなの、だから」

言い訳のように、しどろもどろになるわたしの言葉をタカヤはビアグラスをテーブルに置くことで遮った。


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