真夜中の恋人
「ナツ」
タカヤの表情は、怖くて見れなかった。俯いてタカヤの言葉を待つしか出来ない。
そんなわたしに、タカヤが一つ溜め息を吐いた。
「料理を作って待たれるのは、迷惑なんだ」
「……っ」
容赦なく切り捨てられた。そのショックで、直ぐに言葉が出てこない。
「……一人だといつも作り過ぎてしまって。ただ、それだけなの。気を悪くしたのなら、ごめんなさい」
精一杯の作り笑いを浮かべた。それでも、タカヤの顔を見ることは出来ない。
最初からわかっていたことなのに、どうして勘違いをしてしまったのだろう。
わたしは、お金で抱かれているだけの存在なのだ。
それ以上でも以下でもない。
「今日は、帰るよ」
タカヤの言葉に黙って頷いた。