真夜中の恋人
タカヤを玄関まで見送ると、その場に蹲って暫く動けなかった。
わたしは、タカヤに何を求めていたのだろう。
まさか、愛されるとでも思っていたの?
そんなこと、あるはずが無いのに。
涙が零れそうになるのを必死で堪えた。
泣いてはダメ。泣けば、自分の存在を否定するような気がした。
身体だけでも愛されるのなら、それでいい。
ずっと一緒にいられるなんて思って無いの。だから、もう少しだけ、その腕の中にいさせて欲しい。
数日後
そう遅くはない時間にタカヤが訪ねてきた。
今まで女性と一緒にいたのだろう。タカヤから甘い香りがする。
チクリと胸が痛んだけれど、それを隠して微笑んで見せた。
そうしなければ、タカヤはもう二度とわたしに触れてくれないような気がしたからだ。