真夜中の恋人
タカヤの姿が見えなくなると、途端に心細くなってしまう。

本当に、わたしで良かったの?
他にもきっと、お似合いの人がいたはずなのに。

周りを見渡してみても、わたしだけ浮いているように思える。

……ううん。
こんなんじゃ、ダメ。背筋を伸ばして堂々としていなきゃ。タカヤに恥をかかせてしまう。

顔を上げて正面を見ると、タカヤがシャンパングラスを両手に持って戻ってくるのが見えた。


「……タカヤ」

その雰囲気に圧倒されてしまう。

一度見詰めてしまうと、もう目を逸らせなかった。

タカヤもわたしを見詰めている。鼓動が早くなって息苦しい。

……好き。
言葉には出来ないけれど。

わたしは今、タカヤに恋していると全身で感じていた。


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