ラブレターを君に


今回は、ノリが間に入ってくれたお陰で、何とかヒロとは、最悪な状態からは、抜け出せた。それぞれが個性をぶつけてしまうと、もう止まらないのが、メンバーの特徴でもある。いつの時もノリが仲を取持ち上手く回してくれていた。
しかし、今回は、根深い所に金銭が、絡んでいることもあり、いつも以上に、みんなが、神経を尖らせていた。カズひとりが、夢と現実の中を彷徨っていた。




あれから…一か月が経とうとしている。何か落ち着きの無い自分がいた。イラつきもあった。それがなんなのかは、その時のカズには、分からなかった。



自然とまたあの場所に居た。




何で現れない?



星を見に行こうね!って、冗談だったのか?



俺は……言葉とは、裏腹に、あれから、雑誌で調べたり、詳しく知ってそうなスタッフを掴まえては、聞き込んでいた。



クリスマスコンサート前に、二日間だけ、何もスケジュール入れない日を自分で作ったりもしてみた。




あんなに元気な奴に何かあったのだろうか!連絡もとれない、もどかしさに、夜空の一点を暫くは見つめていた。



あいつと巡り逢ったのは、夢なのかも?あいつは、もしや、かぐや姫?


可哀相な運命に、もしや、今頃なみだしているのでは?



朝まで、俺は、そこを離れることができず、一睡もせずに、スタジオへ向かった。
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