エリート医師に結婚しろと迫られてます
私は、普段と違う顔で人前に出たりして、落ち着かない。

待っている間に、兄が連絡を入れてきてた。涼平さんと連絡が取れて、
俺の代わりに涼平そっちにやったから。と迷惑なことをしてくれた。

「失礼します」
声に反応してドキンとした。

私はワンピースのすそが乱れてないか手で確認しながら座りなおした。

「あれっ?」という声がして、私の隣の席にその声の主が座った。

森谷さんが来たら、どうしようと私が、考えた言い訳を話す前に、彼の方から声をかけてくれた。

「雰囲気変ったね。驚いたよ」
本当に驚いたのは、私が振り返って、彼の顔を見たときだ。

「えっ?どうしたの?」

森谷さん、目がまんまるだ。


後ろから見たときは、洋服だけ褒められて、前から見たらどうしたの?って…

化粧なんか、しないほうがいいってことか?

昔、近所のおばさんが、町内会でやってたお稚児さんの衣装とメイクを、してくれた時に、母がそんな風に言ったのを思い出した。

褒めてもらえると思ったのに、どこの誰に世話してもらったのか、分からないと言ったら、母にひどく怒られた。


『どうしたのって…』

軽くショックだった。

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