エリート医師に結婚しろと迫られてます
「涼平さん。私に選ぶ権利なんかないよ」
何をして、誰を選ぶのか…選択権は常に彼にある。
「そんなことない。麻結がいいっていう相手なら、いくらでも見つけてやるし」
もう、涼平さんもお兄ちゃんも世話を焼きすぎた。過保護すぎる。
「うん…大丈夫だって」
「それより、お兄ちゃんに余計なこと言って、これから二次募集するなんて言い出すのは止めて」
涼平さんが、珍しくイラついてる。
「あんなやつ、麻結にはふさわしくない。止めろ。基樹に言っておく」
「ん…ちょっと、あの。涼平さん?」
「別に、相手は、医者じゃなくていいじゃないか?麻結」どうしちゃったの?
「涼平さん、私ね、ずっと酒屋さんにお嫁に行きたかったんだけどな」
私は、笑いながら言う事ができた。
涼平さんが、私の顔をのぞき込んで言う。
「それは、ずっと昔の事だろう?」
私も、笑って答える。
「そんなことないよ…」
もう、泣きたい。
「ん?そっか…」
20年ずっと持ってた感情も、口に出して見たら、そっか、と一言で終わった。
「麻結、どうしちゃったの?」
「ほら、もう、帰ろう。あんな奴ずっとこうして麻結のこと泣かせるぞ」
涼平さん、それは違う。