エリート医師に結婚しろと迫られてます
「ここに来たら、先に彼女がいたの。部屋の前で紙袋下げて待ってた」
森谷さんは、イラついてるのか、不安なのか分からない表情で私を見つめる。
「そんなの、誰がいようが気にしないで、さっさと中に入ればいいでしょう?他の人のことなんか気にせずに…鍵を渡してあるのは、麻結だけだから」
「でも、一応お客様だし。追い返すことも、一緒にどうぞって分けには行かないでしょ」
「僕が呼んだ訳じゃない」
「でも、あなたの言う通りにすると、彼女のこと、置き去りにして、私1人で部屋に入ることになるわね。そうすると、彼女をもっと傷つけるでしょ?
私が鍵を持ってるって知って1度傷ついてるのに。ドアの外に置き去りにしたりして…」
「それは、仕方ないじゃないか。僕が一緒にいたいと思うのは、あなただけだから」
私は、恥ずかしくて節目がちに答える。
「ん…まだ、信じられないけど。
そういわれるのはとても幸せ。
でもね、どうしても、傷ついて帰らなきゃいけないとしたら…
私は、彼女が自らそうするようにしてあげたかったな。
一方的にこちらから切り捨てるやり方じゃなくて。
せめて、彼女がそうするまで、待ってあげたかったな」
「麻結、あのね…」
森谷さんは、大きくため息をついた。
「ん?」