エリート医師に結婚しろと迫られてます
美月は、仕事の帰りに私を食事に誘った。
話しやすいように、居酒屋でお酒を飲みながら話そうと美月が決めた。
出てきたビールを、ちびちび半分飲むまで待ってから美月が言う。
「さあ、全部話して。もう落ち着いたでしょ?」
「ん…」
「女がいたんだ…」
美月が、何か話す前に言う。
「いたんじゃなくて…」
私は、今朝、見たままのことを美月に話した。
「そんで?それ見て恐れをなして逃げてきたんだ」
美月はため息をついた。
「ん…」
「あーっ、もう、言わんこっちゃない。そんなことわかってたでしょ?あんな目立つ人なんだから身近の女の子ばかりと付き合ってるわけないってこと」
「ん…そうだね」
「あんなの相手にするなんて、麻結には荷が重いって、忠告受けてたよね」
「うん…」
「悪いこといわない。そう思うなら、付き合うの止めたら。この先ずっとそういう思いをするよ。だからもっと麻結にふさわしい人にして、あんたがそんなに振り回されない人にして」
「ふさわしい人って?」
「もっとぱっとしない、どこにでもいる、あんたでも扱えるような男よ」
「うん」
「うんって、麻結はその程度なの?彼のこと好きじゃないの?」
「美月…私が悩んでるのは、そういうことじゃないよ」
「なに悩んでるのよ」
「私、彼のそばにいていいのかなあ」
「あいつが、麻結にいて欲しいって言ってるんでしょう?」
「うん。でも、それって私自身にっていうより別な理由じゃないかって思えて来た」