エリート医師に結婚しろと迫られてます
彼は、徳永潤也。
大学の同級生。
弁護士になるために一緒に勉強した仲間だ。
仲間というより、教えていただいた恩師という感じだが。
因みに彼は、在学中に旧制度で司法試験をパスした秀才だ。
何でもそつなくこなして、要領がいい。
『何でそんなことしてるの?効率悪いだろ?』
何度そう言われた事か…
私は、反対に散々苦労して試験にパスした。
私たちが学生の頃に「新司法試験」と呼ばれる新しい制度が始まった。
旧制度で勉強してきた私は、一定の期間、新旧の試験を両方やってる間に合格しなければ、法科大学院に入るか、新たに司法試験予備試験を受けて合格しなければならなかった。
落ちたら、二年も余計に大学院に行って、さらに受験回数も制限される。
3回しか受けられなくなるという、悲壮な状態で受験していた。
『アホ!バカ!死ね』と言われ、彼には、散々な教わり方をしたけど。
なんとか合格したのも、彼が見るに見かねて論文のチェックを、答案が真っ赤になるほどしてくれたおかげだ。
今でも足を向けて眠れない。
「ねえ、潤也どこ行くの?」
私達はどうやら、皇居の前を通り、東京駅方面に向かってるらしい。
もう何年会ってなかった?きっと思い出せないくらい前だ。