エリート医師に結婚しろと迫られてます


「私、付き合ってる。と思う。多分…きっと、森谷さんと」


「冗談だろ?やっぱり信じらんねえ」

大袈裟に笑ってたと思ったら、今度は、深く椅子にもたれて腕組みして、私を値踏みするように見る。


「潤也の価値観なんかで、私を判断しないでよ」


彼は、う~んと、唸りながらもう一度私を上から下まで見た。
なんなのよ、その態度。


「いやあ、俺なんかより好みうるさそうだろ、やつの方が」
潤也が少し、懐かしむような、意味ありげなな笑いをする。



「ふ~ん、彼のことヤツだなんて呼んでるの?」


「言っとくけど、つっかっかったり目の敵にしてくるのは向こうだ」



さっきの仕返しをする。
「勘違いじゃないの、それ。ありえないでしょう」


「かもな」
潤也は大きな声で笑う。




人生の長さに比べれば、ほんの一瞬だけど。
私は、この人と一時期、親しい関係にあった。

正直に言うと、潤也がいなかったら森谷さんが初めての人になってた。という意味で。


一応…私は、森谷さんの前に経験者として現れることが出来た。


彼が、なんて感想をもつか想像もつかないけど…
「バージンだったの?」って嬉しそうに言ってくれるのっていくつまでだろう…


29才にもなって誰にも…って言ったら引かれるかな。


相手にされなかった女として見られるのは、とても嫌だった。
そこまで、もてなかったのかって、少しでも言われたら辛いなと思う。


でも、どうだろう?
彼は…気にするかなあ。
逆に希少価値過ぎて、珍獣のように珍しがれれるか…気味悪がられるか。



< 273 / 336 >

この作品をシェア

pagetop