エリート医師に結婚しろと迫られてます
「私、付き合ってる。と思う。多分…きっと、森谷さんと」
「冗談だろ?やっぱり信じらんねえ」
大袈裟に笑ってたと思ったら、今度は、深く椅子にもたれて腕組みして、私を値踏みするように見る。
「潤也の価値観なんかで、私を判断しないでよ」
彼は、う~んと、唸りながらもう一度私を上から下まで見た。
なんなのよ、その態度。
「いやあ、俺なんかより好みうるさそうだろ、やつの方が」
潤也が少し、懐かしむような、意味ありげなな笑いをする。
「ふ~ん、彼のことヤツだなんて呼んでるの?」
「言っとくけど、つっかっかったり目の敵にしてくるのは向こうだ」
さっきの仕返しをする。
「勘違いじゃないの、それ。ありえないでしょう」
「かもな」
潤也は大きな声で笑う。
人生の長さに比べれば、ほんの一瞬だけど。
私は、この人と一時期、親しい関係にあった。
正直に言うと、潤也がいなかったら森谷さんが初めての人になってた。という意味で。
一応…私は、森谷さんの前に経験者として現れることが出来た。
彼が、なんて感想をもつか想像もつかないけど…
「バージンだったの?」って嬉しそうに言ってくれるのっていくつまでだろう…
29才にもなって誰にも…って言ったら引かれるかな。
相手にされなかった女として見られるのは、とても嫌だった。
そこまで、もてなかったのかって、少しでも言われたら辛いなと思う。
でも、どうだろう?
彼は…気にするかなあ。
逆に希少価値過ぎて、珍獣のように珍しがれれるか…気味悪がられるか。