エリート医師に結婚しろと迫られてます


ええーっ

やっぱり、違う。
この子が大きくなったって、森谷さんになったりしない。

私は、写真を放り出しリビングから外の庭に出た。



「麻結?」


森谷さんが私の後を追いかけてリビングから出て来た。


「あなたは、あの子と全然違う人生を送っていて、あの…出っ歯の子は、今頃…」


「地獄にでも落ちてる?」


「うん…優しく言うと、そうかも」


「ごめん…ずっと謝ろうと思ってた」
森谷さん、あなたは何に対して私に謝ったの?



「謝んなくていい…もう、忘れてたのに」



森谷さんは、急に下を向いて、地面の少し盛り上がった柵で囲まれたところを靴で触れた。

そう言えば、出っ歯の男の子もそんな風に、花壇を突っついてたっけ。



「すべてこの花壇から始まった」
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