エリート医師に結婚しろと迫られてます



「花壇?」


「思い出した?ほら、ここだろう、この花壇、覚えてる?」


その少年は、お祖母ちゃんの花壇を足で掘り返す憎たらしい男の子だった。

そうだ、思い出した。

「ええ」


家の前は庭になっていて、クリニックの駐車場と隔てる目隠しの役割をしている。


まだ、祖母が生きていた頃は、この庭もきちんと手入れされていた。

手入れをする人を失ってからは、年に数回、業者に手入れをしてもらってるだけだ。


祖母が生きている間、庭には季節ごとに色とりどりの花に囲まれていた。

祖母が亡くなってから、私と母は、花壇をほったらかしにして、1年もしないうちに、雑草だらけのただの荒れた庭にしてしまった。

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