エリート医師に結婚しろと迫られてます


ああ…ビールを頼む前から、
やり直したい。


「本当に?どこも変だとか、
可笑しいとか思わないの?」
手を引っ張らないでください。


「そりゃ…まあ。いったい、
何を考えてるのか分からないし…
どうして私になんか、会いたいなんて言うのか、不思議で仕方ないけど…」


森谷さんは、嬉しそうに笑うと、
今度は、大真面目に言った。


「やっぱりダメだな。わかったよ。
僕の負けだ。じゃあ、方針変更するか…」


私は、目がまん丸になった。
僕の負け?
何の勝負してたの?私達…


今日の野崎の叔母さんより、
びっくりした。
それで、ビールを噴出して、しまった。


何?

いったい、何があったの?
私、なんか間違い起こした?

私の慌てぶりを見て、
私の片方の手をつかまえたまま
森谷さんは笑ってる。


あの…無意識に指で手の甲を撫でるのやめてください。


ああ、もう!手を放して!!
ずっとそんなことされてるとまずいのよ。


「どうしたんですか?
遠まわしに言われても、
時間の無駄にしてるだけです。
兄に気兼ねしないで、はっきり自分のいいたいこと言って下さい」

大げさに、啖呵を切ったはずなのに、
森谷さんは不機嫌になるどころか、
笑うだけ。
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