【短編】君が手を伸ばす先に
飲酒運転だった。


ふらふらして危なげだとは思っていたけれど、僕はそれどころじゃなくて。


誕生日プレゼントを早く渡したくて、それから新しい発見を早く君に伝えたくて。



携帯を耳にあて、コール音を数えていた。


『もしもし、祈?』


声が聞こえたのが先か、ブレーキ音が先か。


何が起こったのかは、頭からドクドクと脈打ちながら溢れる液体から分かった。


あぁ、花乃。

愛してる。愛してるよ。

なぁ花乃。

まだ言ってなかったんだけどね。今日言おうと思ってたんだけど。

不知火って鬼はイキな奴でさ。

主人公サイドの宿敵と、最後は共闘するんだよ。

黒幕の手先を倒すために、主人公の女の子を逃がすのを手伝うために。

それで、最後はその宿敵の死を見届けるんだ。

それからさ。

宿敵の行きたかった場所に行くんだよ。
確か、会津だったかな。

『ここが会津だぜ』って。

しかも、その宿敵の唯一の武器の槍を形見として持ってるんだよ。




そんな風に───僕は死んだんだ。




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