From..
「紫音、私ね……。嬉しかった。あなたと友達になれて…。翔と雅也の幼なじみ…って聞いてね…どんな人かなぁって想像してたの…」

「…実際会って…どう…だった…?」

「あなたは太陽みたいな人だった。底抜けに明るくて…強くて……」

「私…静香の思っている程立派な…人じゃないよ」

「私の目にはそう見えたんだよ…今まで…ありがとう…」

「静香…もうちょっと…恋に対して…素直になった方が…いい…よ?こちらこそ…ありがとう…」

静香は紫音の言葉に強く強く頷いた。

『涙は見せない』

静香が言っていたことだった。静香は最後まで涙を見せなかった。

一番仲が良かったのに…静香…お前…強いな。

一番辛いのは…お前だよな。

一番我慢してるのは…お前何だよな…?

静香は固く、固く、右拳を握りしめていた。
血が出るほど、強く…、

握っていたよな。
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