HE IS A PET.
「ありがとう……もう一つ、無理言っていい? 今日だけ」
「何?」
「朝まで、一緒にいて。……咲希さんが嫌がることは、しないから」
抱きたいわけではないと、暗に伝える怜に
「知ってる」
と答えた。
怜は人の嫌がることはしない。
「外泊して、戸田さんに怒られないの?」
「外泊……じゃなくて、うち来る?」
「え、戸田さんちに?」
うちに同級生を連れ込んで追い出された前科があるくせに、よく平然と私を誘えるもんだ。
眉を潜める私に、怜が淋しげに言った。
「今、独り暮らし。直哉さんがマンスリーアパート、借りてくれて」
「何で。戸田さんと住んでるんじゃないの?」
「住んでたけど、学校が遠いから。近くに借りてくれた」
「戸田さんが?」
怜にかかる経費は、『飼い主である』自分が払うのだと、アズミンは言っていたのに。
どうして戸田さんが支出するのかが、腑に落ちない。