HE IS A PET.


「――怜、」

 ソファーの上重なるシルエットを見て、かける言葉に詰まった。

 押し倒したようにも引き込まれたようにも見える体勢で二人、絡み合っていた。


 捲れ上がったシャツの隙間から見える怜の滑らかな脇腹や、その身体にしがみつくアズミンの手の必死さが、一瞬で目に焼きついた。

 瞬き一つして、心底思った。ああ、もう帰りたい。帰ろう。
 何で来たんだろう。

 ハンドバッグを拾い、さっさと玄関に向かう。

 ドアノブに手をかけたとき、私を呼び止める怜の声が聞こえたけれど、追ってこないから待ってなんてやらない。



 外の寒さが身に滲みると思ったら、雪がちらついている。

 ホワイトクリスマスだなんて、泣きたくなる。


 狭い路地を曲がってきた人影に、気付いて咄嗟に身構えた。


「帰るの? 泊まってけばいいのに」

 私を見て驚いたあと、涼やかな笑みを見せる。

 戸田さんだった。


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