HE IS A PET.

 大きく翼を広げた姿が大胆に描かれた『鳳凰』だ。

 繊細で美しい羽の一枚一枚が、無数に集まった全体像は激しく迫力があり、鋭く尖ったくちばしと目つきで、見る者を威嚇している。

 洋風な『タトゥー』ではなく任侠の世界で好まれるような『刺青』と、エリックの風貌とのコントラストが、人目を惹きつけずにはいない。

 そんな写真だった。


「それは、フェイクタトゥー。腕のは自前……本物だけど、背中の鳳凰はペイントタトゥーなんだ。専門店を、安住の知り合いがやっててね。そこの広告用に撮影した写真。なかなか評判良いよ」


 軽やかな口調で、戸田さんが言葉を続ける。

「素材の印象が強すぎて、モデルとしては善し悪しがあるけど。被写体としては面白いよね、エリックは」

 そんな話をされたところで、私としては、ちっとも面白くない。
 この身体で怜を組み敷いたのかと思うと、胸が軋んだ。

 怜を暴行したのかと尋ねたとき、合意だったとエリックは答えた。

 すがるような目で誘うように触れてきたから、応じてやったのだと。
 身体に残っていた暴行の痕跡も、全て怜が望んだ行為だったと。


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