HE IS A PET.
『酷くされるのが好きなんだ。泣いてよがって、悦んでたよ』
嘘だ。絶対に許さないと息巻く私に、
『レイに自虐癖があるのは、レイの耳にあるピアスホールの数を見ても分かるだろ?』
エリックは冷笑を浮かべた。
『あんたが下手なことを口外して、困るのはレイだってことを理解した方がいい。俺だって後悔してるさ。誘惑に負けて、タツキを裏切るような真似をした』
竜樹と名前で呼ばれることを嫌うアズミンが、そう呼ばせるのは恋人だけだ。
『タツキを哀しませたくないんだ。レイもそう願ってるだろ。あんたが黙ってれば、うまく収まる』
あれは脅しだったんだろうか。
もしかしたら、アズミンに振られたのは私のせいだと思って、逆恨みしている可能性もある。
「知ってると思うけど……」
何も知らない戸田さんが、涼やかに言った。
「エリックのお祖母ちゃん、日本人だから。エリックには、ビザ無しで日本に定住できる『身分による資格』がある」