HE IS A PET.


「咲希さんもあるんでしょ? 怜くんと遊んでも、彼氏にバレない自信」


 彼氏――ああ、守田さんのことか。
 イヴにクルージングデートしてたら、そう思われて当然かもしれないけれど。

 彼氏がいながら怜とも、と思われるのは嫌だ。


「付き合ってる人いないですから。後ろめたいことはないです」

 と言ってる側から後ろめたい気がするのは、気にしないことにしよう。

「そう。じゃあ、また遊んであげて。怜くん喜ぶよ」

 そう言って綺麗な二重を細める横顔に、小さく溜め息を吐いた。




 マンションに戻ると、着替えだけして、焼酎のお湯割りを作って飲んだくれた。

 なんか疲れたな。やっぱり、こうしてるほうが楽だ。


 怜に関わるのは、もうやめよう。
 会って身に沁みた。

 怜はペットで、飼い主がちゃんといる。
 出会う前からそう知っていたのに、目にすると駄目だった。


 甲斐甲斐しく飼い主に仕え、求められて素直に応じる姿に、どうしようもないくらい嫉妬した。



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