HE IS A PET.
翌朝、守田さんからメールがあった。
昨日のお礼と、今日開催する『未来工学展覧会』とやらへのお誘いだった。
守田さんの会社で研究している、まだ商品化はされていないロボットが発表展示されるらしい。
クリスマスに出張なんて大変ですねと言ったら、どちみちこっちには私に会いに来る予定だったから、交通費が浮いて良かったと笑われた。
『もし時間があったら、友達誘って来てね』
今日は、田中さんと買い物に行く約束をしてる。
未来工学とかロボットとか興味なさそうだよなあ。友達だったらまだ誘いやすいけど、職場の先輩だしなあ。
『こちらこそ、昨日は本当にありがとうございました。すごく楽しかったです。今日は先輩の買い物に付き合って、秋葉原へ行きます。展覧会は行けそうにないので、また次の機会があれば誘って下さいね。では、お仕事頑張って下さい』
少し悩んで、無難かなと思う返信をした。
無難の基準がいまいち分かんないけど。
『好きだけど友達で満足』だという守田さんとの距離の取り方も、いまいちよく分かんなくて悩む。
そもそも友達って何なんだろう。
てか、私の友達。
転勤だの結婚だのとツルむ面子が減っていき、独身で近くに残っている友達も恋人といちゃこら三昧で、連絡はあれど会うことは滅多にない。
バツイチの先輩とアキバに買い物という色気のないクリスマスを過ごす私は、シングルの自覚が年々強まる。