HE IS A PET.
New year



 クリスマス連休が明け、三日働いて仕事納め。
 大晦日、実家に帰省した。


「まだ彼氏いないの? あんた来年、二十六なのよ。三十なんてあっという間なんだからね。早くいい人捕まえなさいよ」

 半年ぶりに母親に会って、待ち受けていた言葉は予想通り。
 これだから帰ってきたくないんだっての。

 ハイハイと聞き流して、未だにある私の部屋に荷物を置きに行くという名目で逃げ込む。

 夜にお兄ちゃんが帰って来たら、矛先が分散されてマシなんだけどなあ。


 倉橋家の年末年始はワンパターン。

 大晦日、午後からおせち作り。しめ縄飾りや鏡餅、仏壇の供物の準備をして、それが終わればお酒を飲み始める。
 夜に焼き肉して、紅白見て、年越しそばを食べて、除夜の鐘を聴きながら泥酔パターン。


 元旦は七時に起きて、お雑煮とおせちを食べて、神社に初詣。
 それから本家に挨拶に行き、お年玉を配り、飲んだくれながら親戚談義に花を咲かせる。


 以上をこなして初めて、年が明けたなって実感する。


 家族全員飲んべえだから、とにかく飲んでばかりのお正月。
 二日の昼過ぎにはお酒が尽き、ジャンケンで負けた私が買い出しに行くことになった。



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