HE IS A PET.


「何で怜に、そんなこと……」

 お願いされなきゃなんないの。

 ご主人様想いの健気なペットの懇願は、喧嘩を売られているようにしか思えない。


「いないようにするって、怜がいなかったら、アズミン酔い潰れてたら困るじゃん」

「えっ…と、じゃあそういうときは、呼んで。運ぶ。あ、でも、酔い潰れるほど飲まないようにって、ちゃんと言っとくから……」


 はあ、何なんだろ。怜って本当に天然だ。それともわざと?

「別に、私に会えて嬉しかったからじゃないよ。アズミンが酔ったのは」

 チトセの話を聞いたからだ。

 怜が悠里のところに戻るかもしれない。
 戻ったら、今度は永遠に置き去りにされてしまう怜を、アズミンは再び受け容れる覚悟だ。


「怜は、アズミンのこと捨てる? もしチトセが……」

 言いかけて、はっとした。


「……チトセ? チトセが、なに?」

 突然出された前の飼い主の名前に、怜は怪訝そうな顔をした。

 怜の本音を知りたいと思った。

「もしチトセが、まだ怜のことを好きで、ずっと待ってるとしたら。怜はアズミンを捨てて、チトセの元に戻るの?」






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