HE IS A PET.
苛立ち紛れに部屋の掃除を始めたところで、電話が鳴った。
シュウかと思いきや、アズミンからだった。
「もしもし」
「ねえ、怜そっちにいる?」
耳に飛び込んできた緊迫した声色に、不穏な空気を感じた。
「いないけど、怜がどうかした?」
「帰って来ないの。一昨日から」
「えっ、どこに行って?」
「それが分かんないから、電話してんじゃない」
「GPSは?」
怜に持たせているスマホから、居場所を特定できるはず。
「スマホ、置いてってんのよ」
重く吐かれる溜め息。
怜にとって、スマホは首輪のようなものだった。繋がれていることに安心を感じる怜は、いつも肌身離さず持っていた。
その首輪を置いて、怜が行きそうな場所というと……
「……悠里のとこかも」
「二年前に引っ越したのよ。今いる場所、分かったの?」
「前に住んでたマンション。最近怜がうろついてるって、チトセが」
聞いていたのに、アズミンに伝えていなかった。