HE IS A PET.



 チトセに電話して、指定された場所で落ち合った。

 乗ってきたコンパクトカーを置いてチトセの高級車に乗り込むと、意外にも丁寧な運転で走り出す。

 言葉遣いは乱暴だけれど。


「だから警告してやっただろ。つまんねえ手間かけさせんなよ。俺だって暇じゃねえんだよ」

 
 嫌がらせだと言って、私に悠里の話をしたのはチトセだ。
 チトセにも少しは責任があるんじゃないの?

 とは思ったけれど、口には出さないでおく。

 いまチトセの機嫌をこれ以上損ねたら、怜のところに辿り着く手段を失ってしまう。
 しおらしく謝ると、チトセはチッと舌打ちをして、黙って車を走らせた。


「ねえ、叔母さんには電話したんでしょう? 怜のこと、何か言ってた?」

 恐る恐るチトセに尋ねる。

「あ? 電話して行ったんじゃ意味ねえだろうが。こういうのは、現場を押さえてナンボだろ」

 大胆な回答にぎょっとする。


「現場って……そんな」

「魔女は口が立つからな。言い逃れできねえようにしてやる。それによく言うだろ、犬を躾ける時はその場で叱れって」

 吐き捨てるようにそう言った後、私の表情を横目で窺ったチトセは、また舌打ちした。


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