HE IS A PET.


 やがて車は、ファミリー向けの分譲マンションが建ち並ぶ閑静な住宅地に入り込み、駐車場の空きスペースに滑り込むようにして停まった。


「行くぞ」

 躊躇う私に構うこともなく、チトセはずんずんと核心に近づいていく。

 マンションのエントランスを抜け、ロビーを突っ切り、エレベーターに乗り込む。

 来訪というよりも、帰宅を思わせるような慣れきった一連の動作に、そう言えば、ここはチトセの家だったんだなとぼんやりと納得する。

 だけど、まさか鍵まで持っているとは思わなかった。
 何の予告もなしに、目の前のドアを開けたチトセにびっくりした。


「ちょっ、人んちに勝手に……」

「いいから入れよ。アイツのこと連れ帰りてえんだろ」

 ぐいっと腕を取られる。半ば強引に引き込まれた玄関で、

「あっくん?」

 ドアの向こうから姿を現せた女性に出迎えられた。


――あっくん?

 彼女が発した一言もさながら、彼女の存在自体に意表を突かれ、脳みそがフリーズした。

 この人が、魔女?


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