HE IS A PET.

 あまりの視覚的衝撃に、開いた口が開きっ放しになる。
 息を吸うこともままならず、私はフリーズした。



「男だって、これで……」


「分かった、分かったから、早くパンツ履いて!」


 いそいそとパンツを上げる怜の姿に、ふうと深呼吸した。


 私が再確認できたことは、『やっぱり怜は男だ』じゃなくて、『やっぱり怜の扱いは難しい』だ。

 飼い主の機嫌一つで涙を零したり、言葉一つで全裸になる、従順すぎるペット。


「……上も、着ていい?」
  
 Tシャツを拾い上げ、私にお伺いを立てる怜に溜め息が零れる。


「いーよ。てか、そもそも脱げなんて言ってないし」

「……ごめんなさい」

「いちいち謝らなくていーから」


「ご……」

 謝罪の言葉を呑み込んで、怜はすがるように私を見た。


「怜」

 名前を呼ぶと、不安そうな顔をした。


「服装だけど、怜が着たい服着て。私に合わせようなんてしなくていいから。怜は、怜の好きな服着て」


「……好きな服」

 私の言葉を復唱して、怜は困ったように黙ってしまった。


 その痛々しさに、ふと『四箇条』の二番を思い出す。

『②怜が判断に迷っていると感じる時には、命令を下すこと』


「とりあえず、その服着て。似合ってるよ」



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