HE IS A PET.
「えっと、仕事中」
「ですよねー。んーじゃあ、夜に会いに行ってい?」
「無理! てか、脩吾…おじいちゃんは……」
「じっちゃんねー、持ち直した。今はねー、喋れるくらい、小康状態。サキちゃん送ってくれてありがとう、だい…」
「良かった! おじいちゃん、脩吾の顔見て、まだ逝けないって思ったんだよ、きっと」
おじいちゃんの無事を聞いてほっとするけど、ハラハラする。
この子さっき、確実に「大好き」って言おうとしたし! 言わせてたまるかホトトギス。
「かなぁー、出来の悪い孫が心配でって?」
へらりと笑った脩吾が、さらりと言った。
「大好き、サキちゃん。会って、ぎゅってしたい。今日が駄目なら、明日」
くらりとした。
「盛んな、ホトトギス」
「え、ホトトギスってなに、俺? 鳥とか、超ウケる」
「とりあえずっ、今、仕事中……、出張中だから! 来ても留守だからね。帰ったら連絡するから」
捲し立てるように嘘をついて、電話を切る寸前、
「うん俺も愛してる」
脩吾も負けじと早口で捲し立てた。