HE IS A PET.


「えっと、仕事中」

「ですよねー。んーじゃあ、夜に会いに行ってい?」

「無理! てか、脩吾…おじいちゃんは……」

「じっちゃんねー、持ち直した。今はねー、喋れるくらい、小康状態。サキちゃん送ってくれてありがとう、だい…」
「良かった! おじいちゃん、脩吾の顔見て、まだ逝けないって思ったんだよ、きっと」

 おじいちゃんの無事を聞いてほっとするけど、ハラハラする。
 この子さっき、確実に「大好き」って言おうとしたし! 言わせてたまるかホトトギス。

「かなぁー、出来の悪い孫が心配でって?」

 へらりと笑った脩吾が、さらりと言った。

「大好き、サキちゃん。会って、ぎゅってしたい。今日が駄目なら、明日」

 くらりとした。


「盛んな、ホトトギス」

「え、ホトトギスってなに、俺? 鳥とか、超ウケる」

「とりあえずっ、今、仕事中……、出張中だから! 来ても留守だからね。帰ったら連絡するから」

 捲し立てるように嘘をついて、電話を切る寸前、

「うん俺も愛してる」

 脩吾も負けじと早口で捲し立てた。


< 250 / 413 >

この作品をシェア

pagetop