HE IS A PET.


「聡子さんのこと、気になるんなら……」

 電話したら?と続ける前に、ぐるりと身体を反転させられた。
 どさりとソファーに沈んだ私を、上から見下ろすチトセは、苛立ちをあらわに舌打ちをした。

「あんた、ホントに危機感ねえのな。分かってねえようだから、身体に教えてやろうか」

「私のこと嫌いなんでしょ、離して」
 
 身を捩るも、私の腰の上にずしりと腰を下ろしたチトセは、びくともしない。
 両腕は掴まれて、お手上げ状態だ。圧倒的な力の差を思い知る。

「もう分かったから。チトセの方が強いよ」

 悔しいけれど、私は弱い。

「やっぱり分かってねえじゃねえか。チトセって呼ぶなっつっただろが」

 チトセは容赦なく私を嫌う。

 私だってチトセなんか嫌いだ。別に好かれなくていい。
 だけど、真っ直ぐ辛辣に向けられる敵意は、鋭く尖っていて痛くて。


「……泣くな」

 チトセが小さく目をみはった。

「泣く奴は好きじゃねえ」


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