HE IS A PET.


「何だぁ、随分楽しそうじゃねえか」

 事務所に入ってきた二人組を見て、梶の笑いがぴたりとやんだ。

 五部刈の頭にグラサンの男と、整髪料を塗りたくっている艶々光る黒髪の男。
 どちらも見るからにヤクザで、歳は三十代前半といったとこか。

「お疲れ様です」

 立ち上がって頭を下げる梶に、グラサンが尋ねる。

「千歳は、どこ行ったぁ」

「店回りっす。チトセに用事っすか」

「いやぁ、ちょっと近くに来たからよ。おめえらがちゃんと仕事してんのか、見に来ただけだ」

「オネエーチャンは新入りさんか? 随分素人くせえじゃねえか。仕込みがまだなら、俺にやらせろや」

 ポマード男が、そう言うなり私の肩を抱いた。

 何これ、超怖い。
 仕込みって、私は食材じゃないですから。舐め回すような視線を這わされて、天丼吐き戻しそ。

「すんません、久米さん。その娘、店の娘じゃないんすよ。チトセのイロなんで、勘弁してもらっていいっすか」

 梶が超低姿勢で、へこへこしながら助け船を出してくれた。


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