HE IS A PET.

「痛っ」

「すっ、すみません。大丈夫ですか」

 ふらつくほど酔っているらしいリーマンが答えた。

「いやぁ、駄目だわ。腕折れたかもー」

 もう一人のリーマンが

「可愛いお姉さんが当たったくらいで、折れるかよ」

 と突っ込む。

「ねえ、可愛いお姉さんはどっかのお店の娘? OL風でいいねー、タイプだわあ。イメプレとか出来るとこ?」

「イメ……!?」

「制服着て駅弁とか、いーねー。なあ、こーいう清楚そうに見える娘ほど、ギャップってあることね?」

「おー、あるある」

 何だこの酔っ払いたち。失礼極まりなくね?


「そりゃあ、あるに決まってんだろ」

 会話に割り入ってきた人物に、全員ぎょっとした。

「このお姉さんは、こう見えて翠幸会幹部のイロやからなぁ。知らんかったで済む思うたら、痛い目見るで?」

 そう言って、唇の端を歪める男自身、堅気には見えない。
 色が抜けきったような金髪にピアス、和柄の龍のTシャツに裸足にサンダル。


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