HE IS A PET.
チトセには似つかわしくない私を、梶は嫌いなんだろうか。
「私は……」
「良かったわ、咲希ちゃんみたいな子で。チトセのこと、よろしく頼むで。もっと、のんびりさせたってえや。悠里ちゃん亡くしてから、チトセ、生き急いどるっちゅうか、死に急いどるみたいで、ひそかに心配やってん」
悠里の名前に、心臓がどくりと反応した。
悠里がいなくなった穴は、チトセの胸にもぽっかりと空いていて、その穴を埋めるために、チトセはチトセのやり方で足掻いているんだろうか。
「ほな事務所まで送るわ、姫」
梶に寄り添われて、走って来た道を歩いて戻る。
「姫、喉乾かへん? 俺、乾いたわ。自販機寄ろか」
買ってくれた缶ジュースの、プルタブを引いてから手渡してくれる梶が言った。
「はい、姫。溢さんようにな」
「溢すかいな。子供ちゃうんやから。それより『姫、姫』言うん、やめてくれへん? キミはホストか」
梶の言葉を真似て突っ込むと、一瞬の静寂のあと爆笑された。